球団OBの牛島和彦さんに一枚の画像を見てもらった。2012年秋。監督を務めた横浜時代のユニホームに身を包み、1人の中学生と言葉を交わしている。「覚えてるで！　まさか彼やとはな！」と声のトーンが弾む。牛島さんの隣で耳を傾けている野球少年は当時中学3年の梅津だった。

仙台市で開かれた野球教室に東尾修さんらと参加。すぐ目にとまったのが梅津だった。高校でも野球を続けることから硬式球を投げていた姿に「投げ方がきれいで、上背もある。珍しく『何もいじらんでええで』って言うたもの」と話してくれた。もちろん、教わった右腕も覚えていた。

「名前を聞いてなくて、その後を気にしてたけど、まさか中日にいたとはな。今年は彼にとって大事な年。1年間投げてほしいね」と牛島さん。12年越の喜びの声を伝え聞いた背番号18がうれしそうにほほ笑んだのは言うまでもない。

長森　謙介