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どすこい!! 大相撲名古屋場所を楽しもう
相撲観戦入門

    • 2024年07月13日(土)
    • スポーツ

大相撲多治見場所の仕掛け人に聞く 相撲の魅力 上野幸弘さん

2023年の多治見場所

上野さん

2023年10月、51年振りに行われた「令和5年大相撲秋巡業 多治見場所」(岐阜県)は大成功に終わりました。その仕掛け人の一人は、多治見市本町で「カフェレスト うえの」と「BAR市松」を経営するマスター、上野幸弘さん(72)です。高校生の時は相撲部キャプテン、父親はかつての二所ノ関部屋名古屋場所での後援会長という関係で、5年程前に土岐の友人と多治見で相撲巡業を開催できないかと話を始めました。コロナで一旦中断した企画を再び実現に向けて動き、見事満員御礼となりました。  

上野さんは、「巡業は地域振興や相撲普及のための力士の顔見せ興行、年に6回ある本場所はマジのマジの真剣勝負と、目的が違います」「相撲はスポーツと神事が一緒になった唯一のもの。所作も大事になってきますので、勝ってもガッツポーズしないのが力士たるものです」と解説します。

「相撲の魅力は小さい力士が大きい力士を倒す醍醐味、頭と頭がガーンとぶつかる立ち会いの音、技の掛け合いなど、ちょっと普通では見られない迫力です」。ぜひ会場に行って体感してください。

(安達正子)

上野さんが好きだった横綱大鵬の手形と珍しい実印入りサイン色紙

昭和54年名古屋場所の二所ノ関部屋へ出稽古に行った上野さんがもらった反物は、のし付きのまま

相撲雑学

大相撲は一年間に6回。それぞれ15日間、毎日180ほどの取組が組まれます。観戦のための基本知識からトリビアまで。(森井直美)

「勝ち越し」とは

十両以上の関取は本場所15日間の取組で8勝以上。7日間取り組む幕下以下の力士は4勝以上を勝ち越しといい、給金・手当が増額。

力士の出世

入門→前相撲→序ノ口(初めて番付に名前がのる)→序二段→三段目(ここから定員数がある)→幕下→十両(ここから関取と言われる)→(幕内)前頭→小結→関脇→大関→横綱に昇進。力士の順位表を「番付表」と言う。

幕内、幕下とは?

「幕内」 には相撲協会から給料が支払われますが 「幕下」 には給料がなく場所ごとの手当てのみ。 髪型も 「幕内」 は大銀杏(おおいちょう)と呼ばれる髷(まげ)が結えますが 「幕下」 には許されません。

階級の定員は?

力士の人数は幕内(前頭以上)が42人以下、十両28人、幕下120人、三段目200人までという決まりがある。2024年(5月現在)は幕内から序ノ口、新弟子まで含み610人ほどの力士がいる中で、給料をもらえるのは幕内、十両の70人のみ。

なぜ東西分かれているの?

同じ地位でも東方(ひがしかた)が半枚格上になる

本場所観戦

8時から寄せ太鼓の音と共に開場。8時25分頃から「前相撲」(入門したばかりの新弟子が取る相撲)が始まり、序ノ口、序二段と進んでいく。地上波では見られない相撲を会場でぜひ見てみたい。

懸賞旗は1本いくらの懸賞金?

土俵上でスポンサー名を明記して回る懸賞旗は1本7万円。うち、事務経費1万円が引かれ、勝ち力士の獲得金額は6万円。
(協会預かり金を除き、手取りは3万円)

懸賞旗は誰でも出せる?

1日に1本以上、1場所で15本以上かけることが必要。最低でも105万円が必要となり、旗の製作は自前。企業や後援会などの団体となり個人名では申し込めない。

幕内の優勝賞金は

1千万円。優勝すると授与される賜杯の大きさは高さ107cm、口径33.3cm、重さ29㎏

おもしろ技

「猫だまし」は、相手の目の前で両手をパンッと打って驚かせ、その間に有利な方向にもっていく。

行司の仕事

力士が土俵に上がって、取組をし、土俵を下りるまで一切を仕切る。番付表などを書き、「ただいまの決まり手は・・」などの放送も担う。

行司も出世あり?

力士と同様、階級社会で序ノ口から始まり序二段、三段目・・となり、十枚目に昇進したら給料がもらえ一人前と認められる。最高位の立(たて)行司は木村庄之助、次位の式守伊之助を名乗る。

はっけよい のこった」とは

「はっけよい」は「気を盛んに出す」という意味で、力士に勝負を促すために使われる。「のこった」は土俵に残っている。勝ち残れの意味があるといわれる。

力士の食事

力士は毎日約8千㎉の食事をしていますが、健康で活動的な男性の1日の推奨摂取量が2500㎉であることを考えると、これはかなり驚くべき量。

タニマチってなに?

相撲界の隠語で、ひいきにしてくれる客や応援してくれる人を指します。
明治の末頃、大阪の谷町筋にある医師が力士から治療代を取らず慕われたことが語源とも言われています。

参考:『全部わかる大相撲ガイド』田中亮著 成美堂出版