先月31日、中日からドラフト6位指名を受けた愛媛・聖カタリナ学園高の有馬の指名あいさつの様子を取材した。希望に満ちた表情で会見する有馬の隣にいたのは担当の野本スカウト。その表情は明るく努めているように見えた。

会見後「有馬の晴れ舞台だから、とは思っていたんだけどね…」とつぶやいた野本スカウト。2日前の29日、三好と福島が戦力外通告を受けた。2人は野本スカウトにとって初めて入団に携わった選手。忙しい合間を縫ってナゴヤ球場に足を運び、担当した選手の相談に乗っていた姿は何度も見たことがある。言葉にしなくてもやるせない思いは十分伝わってきた。

ドラフトで入団する選手がいれば、去る選手もいる。秋はスカウトにとってもつらい報告を聞く季節だ。「有馬はまだまだこれから伸びていく選手。頑張ってほしい」と野本スカウト。これからも寄り添っていく。

長森　謙介