加藤竜が育成契約となり、野手に転向する。秋季キャンプから野手組に入ってバットを振り込む姿を見て、記者は1カ月半前のことを思い返していた。

9月下旬、2軍本隊が遠征中で、残留組がナゴヤ球場で練習していた。大柄な選手が打撃ケージの左打席に入り、快音を鳴らす。すると今度は右打席に入り、3連発を含め柵越えを連発。そこでようやく、打席に入ったのが加藤竜であることに気がついた。

練習後、背番号96に声をかけた。「もしかしたら野手になるかもしれなくて、ここ最近練習しています」。その後も中日屋内練習場でバットを振り込む姿を何度も目にした。

秋季キャンプ第1クールを終え、「毎日やることが多いので充実してます。1カ月前よりスイングはよくなってますよ」。その表情から、迷いは一切感じなかった。

後藤　正樹