現代「志野」の追求者
卒寿記念 人間国宝 鈴木藏の志野展
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- 2025年05月19日(月)
- イベント
鈴木藏の志野展 開催中
岐阜県現代陶芸美術館(岐阜県多治見市東町)では、「志野」の重要文化財保持者(人間国宝)で、文化功労者の陶芸家・鈴木藏(おさむ)さん(90・多治見市)の初期から最新作までの109点を紹介する展覧会が開催中です。

3月に行われた内覧会

3月に行われた内覧会
土岐市生まれの鈴木さんは、多治見工業高校を卒業後、丸幸陶苑で釉薬(ゆうやく)の技師であった父の下で技術を学びました。
膨大な量のテストピースの一部
早くから公募展に出品、31歳という若さで独立後、薪窯信仰の強い美濃の地で、ガス窯による「現代の志野」に挑戦し続けています。
ヘラ削りなどでエッジの効いた花器、タタラ成型にマスキングによって白と緋色に分けられた長皿、そして造形性の強い志野茶碗など、どれも圧倒的な存在感を放っています。

鈴木さんは現在病気療養中で、残念ながら3月に行われた開会式には欠席しましたが、息子で陶芸家の徹(てつ)さんは、「父は地元での展覧会を楽しみにしていました。一人でも多くの方に見てもらいたい」とあいさつ。

70歳を過ぎて作り始めた炎を想起される香炉、素材の違う三つの茶碗を作り、それを切り取り継ぎ合わせた一つの茶碗にするなど、高い技術と個人作家の内面が作品に表現されています。

志野香炉 2017年 個人蔵

志野茶碗 鈴木さんが「継色紙」という呼ぶ手法で制作された
- 会期
- 2025年6月1日(日)まで
- 開館時間
- 10:00~18:00(入館は17:30まで)
- 場所
- 岐阜県現代陶芸美術館
(岐阜県多治見市東町4-2-5 セラミックパークMINO内) - 電話
- 0572-28-3100
- 休館日
- 月曜日
- 観覧料
- 一般1,000円、大学生800円、高校生以下無料
- 公式HP
- 岐阜県現代陶芸美術館公式ホームページ

(Adachi Masako)
月刊紙『マイタウンとうと』編集長。東京都出身。短大卒業後、証券会社で営業、新聞社系出版社で編集を経験。子どもが小さいときは時間で終わる公的機関でパートをし、その後編集復帰。カルチャーもスポーツも何でも興味が湧いたことには直接足を運び、自分の目で見ることを心掛けています。一方、家で過ごすのも大好きで、週末は家から一歩も出たくない気分の日もたびたび…。