400年の歴史を守り、受け継がれる高田焼を通して人の暮らしを見つめる—弥満丈欅窯 加藤 徹さん
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- 2019年12月10日(火)
- 偉人伝
高田焼の湯たんぽで健やかな心と体を
1616年に加藤与左衛門景直が高田の地に開窯以来約400年の歴史がある高田焼。江戸から明治・大正にかけて源蔵徳利が有名で、今でも暮らしに密着した焼き物(すり鉢、行平、薬土瓶、釜飯の釜)を生産しています。
弥満丈欅窯の加藤徹さんは、高田で採土した硅藻土を使用して、湯たんぽやカメを製造しています。
硅藻土は、自浄作用や調湿効果があるので、発酵に適した環境を整えてくれます。そのため加藤さんのカメで漬物を漬けるとおいしく漬かるそうです。
また、湯たんぽの中の水も30年替えていないそうで、自浄効果のおかげだと加藤さんは話します。
加えて、お湯が冷めにくく遠赤外線効果もあるので長時間じんわりと体を温め朝までぐっすり眠れて目覚めも良いそうです。それに乾燥肌の人にも最適です。
弥満丈欅窯の製品は、奥さんと二人での製造のため一度に多くは生産ができませんが、一度使った人や評判を聞きつけた人が焼き上がりを心待ちにしています。
加藤さんのモノつくりは、人の暮らし方、健康に気遣ってほしいと願いのような思いが込められています。“なぜ今、湯たんぽが見直されてきているのか”今一度、使う人にもその意味深さを投げかけます。
学生の頃から、自然環境に関心が深く、学生運動やアートを通しての活動もされてきました。
工房や工場内には、ポスター、絵画や自作の俳句などが飾られ加藤さんの豊かな個性が見受けられます。
また、工房敷地の端に捨てられている“アミアシ”と呼ばれる筒状のこぶし大の焼き物。加藤さんのお父さん以前に作られていたもので、遠洋漁業の際に網の先に重しとしてつけられていたものです。 帰りは魚で船が重くなるので、アミアシを捨てて寄港したそう。そのアミアシが海底で魚の産卵場所となり、硅藻土で作られたアミアシが浄化作用をもたらし豊かな漁場の形成の一端を担っていました。しかし、採算が取れないことなどから生産されなくなりました。大量生産、大量消費の現状が、自然と人との暮らしの関わり方に大きく影響を与えていることに加藤さんは危惧しています。
作り手や、使い手が自身の健康や地球環境に配慮した生活の在り方を、加藤さんは高田焼を通して問い掛けます。
- 問い合わせ先
- 弥満丈欅窯
- 住所
- 多治見市高田町7-36
- 電話
- 0572-22-1679
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