ロッカーと中日屋内練習場を往復する福谷の左手首が光っていた。時計のようにも見えたが、一体、何なのか。気になって聞いてみた。

「いただいたので着けています」

福谷によると、多くの選手が参加したゴルフコンペの景品。正真正銘の時計だが、その機能性は実に高い。心拍数なども教えてくれる優れものという。

「睡眠の質が分かるのはありがたいですよね。睡眠が浅いかなと思っても、意外に質は保たれてることが分かったりするんですよ」。ほかにも生活に役立つさまざまな機能があり、使い方の幅は広いのだとか。福谷は「ブルペンに入るときはさすがに外しますけど、使い方はいろいろありそうです」とホクそ笑む。数百万円の高級時計を身に着けるのだけがプロ野球選手ではない。人の価値観というのは、やはり千差万別だ。

（川本光憲）

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