まるで時が止まったようだった。１６日に代表取材で訪れたナゴヤ球場。この日から練習形態が変わり、１時間で球場にいる選手は４人のみ。球場に入れるスタッフも限られた。いつもは屋内練習場に出入りする選手や報道陣の姿がある寮の前は人の気配がなく、不気味ささえあった。

新型コロナウイルス感染拡大からの出口が見えない。その中で野球に集中する難しさはどの選手にもあるだろう。１１日の代表取材で根尾は「高齢者の方が（コロナで）重篤になられて亡くなられたと聞くと、周りの方もすごく心配になっちゃいます…」と語った。

「野球どころではないのかなと思うんですけど…。仕事なので」と少し力を込めながら言葉を続けた根尾。コロナ禍が収束した時には、野球選手としてはつらつとプレーする姿をファンは待っている。

（谷大平）