アスリートである以上、けがはつきもの。故障した選手に取材するのも記者の仕事であると割り切りながらも、正直心が痛くなる。そんな憂いを吹き飛ばして、逆に励まされたのが開幕前の藤嶋だった。

3月9日の西武とのオープン戦(ベルーナ)で一塁方向へのゴロを追いかけた際に転倒して緊急降板。診断は右太もも裏の肉離れだった。後日、ナゴヤ球場で「やっちゃった～」と松葉づえ姿で歩いてきた。

開幕はアウト。「生まれて初めて、時間を戻したいって思いました」と悔しさも倍増。それでも「開幕1カ月遅れで必ず戻りますからね」といつも通りの笑顔だった。

言葉通りに1軍に戻ると、今ではキャリアハイかつチームトップの登板数を更新中。昨年の50試合と今年の50試合で心境の違いはあるか。「う～ん、特にないですかね。出遅れた分、登板間隔が狭いくらい(笑)」。献身的に腕を振る姿に元気をもらっています。

土屋　あいり