今年の野球界で大きな出来事の一つといえば、ワールド・ベースボール・クラシック（WBC）での野球日本代表「侍ジャパン」の優勝。歓喜の瞬間を現地で目撃することができたが、優勝とともに記憶に残っているのは準決勝前日だ。

ローンデポ・パークでの前日練習。初めての球場で投手陣はほぼ全員がマウンドの感触を確かめていた。しかし、自分が記憶する限り来なかった選手がいる。高橋宏だ。マウンドを確認したのは決勝前だけだった。

「決勝以外は裏で練習前の準備をしてました。時間がかかるので、普段通りやってたら間に合わなくて」。準決勝で敗退していたらマウンドからの景色を見ることはなかったが、「ルーティンは大事なので」と言っていた。

球場内の把握に時間をかけなかった影響で、ブルペンへの入り方が分からず右往左往したのも今となれば良い思い出。来年はWBCでの記憶を塗り替えるほどの活躍、期待しています！

長森　謙介