ラーメンに乗っていたのはおふだろうか。「幸」の文字が焼き印のようにしてある。大西外野守備走塁コーチは気づくやいなや、「縁起えぇなあ」と口に放り込んだ。

チームが沖縄へ移動した30日。空港へ到着した記者の目に大西コーチの姿が目に入る。「昼飯食うていこうか」。はい、いただきますー。入ったのはラーメン店。透き通ったスープが体に染み渡る。「幸」という文字を確認した大西コーチは、「これは食うておかなあかん」。縁起物だと判断していた。

キャンプインを翌日に控えた31日のアグレスタジアム北谷では投手がマウンドをチェックし、ドラフト2位の津田、同3位の辻本は遊撃のポジションでグラウンドコンディションを確かめていた。

いよいよ、始まる。伸びるのは打球。透き通るのはナインが抱く白星へのピュアな心。竜に幸あれ。

川本　光憲