10月19日付紙面で「ラーメン専科　竜」が閉店することに触れた。店を構えて40年以上たつが、ナゴヤ球場が熱気であふれた、あの日はどうだったのか。店長の吉田和雄さん(81)に、1994年10月8日の記憶を尋ねた。すると、「絶対に忙しくなることが分かっていたから、昼で店を閉めた」のだという。

閉店後の竜に電話をかけてきた人がいる。当時の監督だった高木守道さんだ。出前のメニューに迷う高木さんに「前の試合、ワンタン麵で勝ったからそうしたら」と提案して届けたが、結果は惨敗。後日「申し訳なかった」と謝罪に行くと、2代目ミスタードラゴンズは豪快に笑い飛ばしてくれたのだとか。

あの熱狂は遠い昔。「またドラゴンズが名古屋の街に活気を与えてほしいね」と吉田さん。来季こそ、大熱戦で幕を閉じた関西ダービーに負けない熱を名古屋に―。

長森　謙介