プロ野球選手の体で鍛えられているのは筋肉だけではなかった。9日付紙面で紹介した釣り糸の製造技術を応用した爪ケア法の取材時、選手とともに爪にプラズマを当てる体験を山井コーチが自身の手を見せてくれた。

「この3本の指だけ強くなったんよ。触ると硬さも違うんやから」。両手を見比べて見ると、右手の親指、人さし指、中指が明らかに太い。投球を重ねることで主に硬球を持つ3本の指がだんだんと鍛えられていった。

山井コーチもシーズン中に爪が割れることがあったそうだが、たくましくなったことで頻繁に悩まされることはなかったという。2021年の現役引退からすでに2年以上たつが、いまだに指の硬さは現役時代のまま。ちなみに、伝家の宝刀・スライダーを試合で多く投げたからといって爪への影響は「それはあんまりなかったな」とのことでした。

谷　大平